どうもカゲロウです。

今日はハンターハンターのレビューを紹介することにします。最初に断っておくと、長文翻訳の場合ブログ主の英語力の問題でかなり意訳が多くなります。

3行以内の英文ならそれなりに和訳できている自信があるのですが、長文をやると己の英語力のなさを実感できて嬉しいような悲しいような・・・・

ただ楽な翻訳をしつつも適度にこの手の長文もやっていこうかなと思っています。短いと楽な反面あんまり成長には繋がらなそうな気がするので

興味ある人は読んでくれると嬉しいです(翻訳の内容を信じるか信じないかはあなた次第)。

ハンターハンター
参照元:https://goo.gl/vhfwDD



とある海外のレビュアー

ハンターハンターの人気がイマイチなことを知るときいつも困惑する。非の打ち所がないアニメというのはどういうものであるかというのは、そのアニメが人気だからといって決まるものではなく、また進撃の巨人やソードアート・オンラインと同じぐらいファンを獲得したからといって決まるものでもない。

私はこのアニメの良さを十分に理解してもらうため、このレビューを書くことにした。もしあなたがこのアニメの良さを知らないなら、それとも「子供向けアニメ」だと思ってイマイチ見る気が起きないのなら、是非このレビューを読むべきである。

ストーリー:

ハンターハンターは、ゴンという名の少年が自分の父親を見つけに旅に出るという話である。父親はハンターになるため、ゴンがまだ小さい頃に彼を置いて家を出ていってしまった。そのことを後にゴンも知り、彼の後追うためハンターを目指すことになる。それは父親を探したいということだけではなく、自分を捨ててまで選んだプロのハンターがどれぐらいすごいものなのか知りたいと思ったからである。

父親を探すだけというストーリーを聞いてとてもシンプルに思うかもしれないが、それはこのアニメが本当に特別なものになるためのただの通過点に過ぎない。

ハンターハンターはとても良く描かれたいくつかの編に分かれており、このストーリーこそがハンターハンターで最も素晴らしいところだと思う。

ハンターハンターは少年漫画の中で最もストーリーの良い漫画の1つであると誇りを持って言える。深みのあるストーリーとその展開、魅力的なキャラクターたち、強烈なインパクトを残す会話、素晴らしい世界観、それらがこの何十時間も続く長いストーリーを、そんなことを気にもかけず夢中になって観てしまうぐらいの魅力的な物語にしているのである。

バラエティに富んだ様々なテーマをそれぞれの編ごとに入れてくる、それがまたとても素晴らしいのだ。ハンターハンターは器用に様々なジャンルを6つの編に取り入れている。

それは「サバイバル」「トーナメント」「犯罪スリラー」「バーチャルリアリティ」「戦争と政治」。それだけでなく、このアニメはその色調の変化(明るいから暗いまたはその逆)も容易く行う。ある編が終わりを迎えるとき、これら色調の変化が時々起こる。その編と編の境目でさえそれは起こる。ハンターハンターはひとつの編ともう一つの編が繋がっていて、その移り変わりは自然に行われる。

ストーリーの進行スピードとその展開についても素晴らしい。多くの部分で、その進行はちょうどよいペースで進んでいく。このアニメは、視聴者を夢中にさせた状態で見続けさせる非常に優れた仕事がしてあり、このアニメを見ているとあっという間に時が過ぎていく、いつの間にかどんどん話が進んでいることにも気づくだろう。総集編の話が2話ほどありますが、(オリジナルストーリーなど)余計な無駄話がないので各エピソードは毎回とてもしっかりした内容を持っている。

ハンターハンターは屈託のない陽気な印象を与えるアニメであり、それは良いことではある。「陽気なアニメ」だからといって、「これは子供じみてて見てられない」というものばかりでもないのだが、アニメファンからはそのように映るようだ。ハンターハンターは昨今では見なくなった正統派の少年漫画的要素を持った作品で、それは本来もっと胸を張っていいことだ。
最終的には、このアニメはダークな部分に変わってしまうのだが、多くのストーリーは屈託のない陽気さがあふれている。

ヨークシン編とキメラアント編は少年漫画の中で最高に面白く暗い話であった。ヨークシン編は巨大都市で起こる暗くスリルのある話で、話のテーマは復讐であり、どこかしらそのスリルと雰囲気は「デスノート」を彷彿とさせる。一方で、キメラアント編は、危険な人食い種が発生しハンター協会がそれを阻止しようとする話である。こちらは暗いだけでなくハンターハンターの中でも特にテーマ性の強い話で、「個のアイデンティティ」、「人間の本質」、「適者生存」のようなテーマがある。このキメラアント編は幽遊白書の黒の章といった青年向けのテーマと比較され、また非常に手強い敵対種に直面し、絶望を経験するところなどは進撃の巨人にも似ている。
このようにこのアニメは、その色彩、音楽、雰囲気、暴力の量がその話ごとにガラリと変化する。

しかしながら、他のバトルアニメと何が違うのかといえば、正統的な少年漫画とはその展開が異なり、予測ができないところにある。このアニメでは少年漫画的言い回しや物語の展開方法が一貫して他の少年漫画よりすくない。

例えば主人公のゴンは、なにかを成し遂げることよりも失敗することのほうが多く、またその時の感情や意志力によってのパワーアップは存在しない。このアニメにおける戦いは他のバトルアニメとは大きく異なっており、あらゆる話において主人公が毎回、主人公として焦点を当てられるわけではないのである。

ある時点では、ゴンは主人公どころか脇役に見えさえするだろう。特にストーリーが壮大になるキメラアント編の後半ではそれが顕著になる。
昨今の標準的なバトルアニメは、「負けて訓練をして勝つ」ということも徐々になくなりつつある。だが、このアニメには特訓のシーンがちゃんとあり、だからといってそれが勝利にいつも結びつくわけではないし、メインの敵キャラと対等に戦えるほど強さの面で成長があるわけでもない。

多くの場面で、主人公たちは基本的に弱者として描かれる。だけど、彼らには驚くべきポテンシャルを持っていて、多くのことを学ぶことができる。

物語の展開は予測不可能であり、私がこのアニメにいつも驚かされるのは、視聴者にこんな感じでこのストーリー(○○編)は終わるのだろうと思わせておいて、全く別の方向に進み、それだけでなくその結末も全く予期しない形で終わるところである。これは視聴者から期待はずれの結末としばしば不満がでるのが良い例だろう。
基本的に、あなたが予想もしないようなシーンやストーリーの展開がこのアニメには見られるが、それはこのアニメがそうした従来の少年漫画的要素を排除し、自己の決定でこうした予想もつかない展開を作り出すからである。

このアニメが正統派の少年漫画ではない要素として、その戦闘シーンが感情ではなく頭脳戦に特化していることからも見て取れる。加えて、その戦闘はよく描かれている。ハンターハンターの戦闘シーンは知的でそこには多くの戦略がある。生身の力で戦うことはあまりなくそれが勝敗の行方を左右しない。実際の力となるのは念能力と呼ばれるもので、その経験と戦略が全てを左右する。
もし主人公が(戦略、経験など)様々な要素で劣っているとしたら、戦闘においてもおそらく負けるということになる。この戦闘に対する知性的なアプローチは、念能力(複雑かつユニークなこの能力は明確なルールに基づきわずかな人だけが所有する)が混ざることで更に強化される。
念の概念とは、原則として、オーラのタイプや戦場における
多くの応用を見ることによって、複雑な設定がそこに注入されていることがわかる。
私はまだこの概念が覚えるためにアニメを一時停止しなければならないこと、その全体を要約するためには、その導入部分から調べなければいけないことを知っている。

このアニメの持つ外観とストーリーは認知的不協和をも作り出す。つまりこの単純極まりないキャラの造形と素晴らしく斬新なストーリーとは視聴者の心の中でうまく合致しないのである。新たに視聴を始めた者たちがハンターハンターを深く掘り下げるにつれ、彼らは、その表紙カバーやそこに載っているあらすじ以上に深い内容があることに気づくことになる。子供向けに見えるこのアニメの期待は、このアニメの持つ驚くべき暗部が明らかになるにつれ、徐々にその全体的な評価がひっくり返ることになる。


音楽:

音楽に関して言うと、ハンターハンターは素晴らしいサウンドトラックを持っている。その出だしは標準のレベルだが、ストーリーが進行するにつれ、どんどんのその質が良くなっていく。また声優についても、何人かのマイナーキャラを除いて、全員素晴らしい。
前作のハンターハンターのアニメを見ていない視聴者にとっては、これがオリジナルでないことを信じるのが難しいぐらいに素晴らしい。とりわけ、ゴン、キルア、ヒソカの声優はキャラの特徴を捉えることに関して完璧な仕事をしている。


作画:
ハンターハンターは絵と作画も素晴らしい。長期間放映アニメなのにもかかわらず各エピソードが一貫してハイクオリティであることに驚く、特に戦闘シーンが素晴らしい。
このアニメは、場面場面の雰囲気やそのストーリー(○○編)の空気に基づいて、顔の表情や光と影の使い方を巧みに調整するというすごい仕事をしている。
あるレビュアーが言っているように、このアニメの明るい色調には多少の慣れが必要かもしれません。前作(1999)のハンターハンターファンがいつもこのことを問題視しているが、個人的には、それも含めてこのアニメは完璧だと思っている。
このアニメはそれに冒険活劇の要素が補完されることで更に魅力を増している。少年漫画のようなワクワクする雰囲気と優れた見た目がある一方で、実際には際立って深い内容があるのである。


キャラクター:
ハンターハンターの強さというは結局のところそのストーリー展開によって決まるものではあるのだが、そこには多くの登場人物がおり、変わってる人、夢を持っている人、残虐な人、世界観のある人がいる。全体としてみんなすごく好ましいキャラクターばかりである。その上、その多くはどこかで見たようなキャラクターではなく独特の特徴を持っている。最初はどこかでみたようなキャラだなと思ってもアニメが進むに連れ徐々にそうした考えは消えていくことになる。

そのキャラクターの中で特に強調したい点をひとつ挙げるならそれは悪役だろう。キャラクターに関して言えば、ここがこのアニメで最も輝く場所である。ハンターハンターに出てくる悪役というのは、ものすごくよく描かれていて(私が以下で述べることのほとんどが当てはまらないボマー(ゲンスルー)を除いて)、ただその個性が印象的というだけでなく、明確に一人ひとりが互いに異なっている。同じような悪役というのが2人もいない。この明確な個性はこのアニメ内だけの話ではなく、外でも通用するのである。
あなたはヒソカ、クロロ、メルエムといったキャラクターを他のアニメで見つけることは出来ないだろう。これがハンターハンターにでてくる悪役をとても魅力的なものにしているのであり、加えて、ただどこにもいないというだけでなくとても印象的な特徴があるのである。私が上で書いた悪役についての特徴は、最初に言ったように4人の内1人には当てはまらないと言ったが、ハンターハンターに出てくる悪役全員はある共通の1つのものは持っている。それは全ての悪役は視聴者に恐怖を感じさせるということである。こうしたキャラクター達が、ストーリーと主人公たちに緊張感を与える良い仕事をしている。


悪い点:
しかしながら、ハンターハンターはとても素晴らしい反面、完璧ではない。このアニメの最初の始まりはあまり面白くない。このアニメがちゃんとした始まりを迎えるまで3話は耐えなくてはいけない。私は、この段階をクリアできずにハンターハンターを観るのをやめた人たちを多く見てきた。それは本当にもったいないことだ。なぜなら最初の1話、2話の話はもはやこのアニメ全体の内容とはほとんど関係ないからだ。
3話あたりから少しずつ物語が面白くなっていく。その後から、このアニメは本当にどんどん面白くなっていく。

あと、時に場面に合わない誤ったBGMが流れることがある。いくつかのシーンでこのBGMは合わないなって思うところがあった。それは微妙に合わないときもあるし、全く合わないときもある。

最後に、キメラアント編について冨樫とマッドハウスの責めに帰す小さな問題がある。冨樫の失敗は、キメラアント編の中盤あたりの話が、ハンターハンターの他の話と違っていささか見劣りする点である。ハンターハンターはその一貫して高いレベルのストーリーを読者に提供することで名声を得た作品である。そして、実際この長いストーリーが人を惹き付ける魅力に溢れているから読破するのは簡単だ。しかしながら、キメラアント編の中盤は酷いものがあった(そのストーリーと進行スピードのため)。とりわけエピソード88、89話あたりがそうだと思う(注:ゴンとキルアがナックルとシュートと戦っているあたり)。誤解しないでほしいのだが、そこでも良いエピソードはそれなりにはある。だけどキメラアント編の他の部分が良いだけに中盤が平凡な内容であることは否めない。
次にマッドハウスの失敗についてであるが、116話(注:ゴンとネフェルピトーが再開するシーン)を最高の作画で描くために、113話から115話まであまり良い出来にはならなかったことである(113話はそこまで酷くなかったが)



キメラアント編のストーリー進行が遅いことに対する説明:
あなたがハンターハンターについて色々調べていけば、おそらく何人かの人間が「ナレーションばっかでストーリーの進行が遅すぎる」といった不満を言ってることを知ることになるだろう。うん、あなたがそうした不満に実際のところどれくらいの真実が含まれているのか気になっていて、私に尋ねようとしているなら。私の答えは正しくもあり間違ってもいるとしか言えない。

第111話の「宮殿侵入」(キメラアント編のクライマックス)は、そのストーリーの説明が難解であり、ストーリーの緊張感を盛り上げるためにナレーションが大きな役割を占めることになる。これは「アクション大好き」の人びとが期待する「少年漫画におけるクライマックス」とは違うかもしれないが、これはそうした戦闘におけるアクションではなくキャラクターの持つ思考やメンタルといった心理的なものを描写する方法を選択したからである。

しかしながら、この「スローダウン」にもかかわらず、多くの漫画のストーリーをうまくアニメ化することに成功している。(先ほど挙げた113話から115話からのエピソードを除く)

おわりに、ナレーションがあなたにとって良いものなのかどうかは人それぞれだが、もし、心理的アプローチと多くのサスペンスを体感したいのならこのペースの遅さは気にならないどころか、もの凄く素晴らしい体験をあなたに与えてくれるだろう。しかしながら、そうしたものが嫌いであるなら、見てて酷く疲れてしまうかもしれない。
もちろん、心理的な描写は好きだが、イマイチ入り込めなかったり、ナレーションが鬱陶しく感じる人もいるだろう。そうした場合は結果的に複雑な感情を持ってしまうことになる。明るい面に目を向ければ、この「宮殿侵入」のエピソードを見た多くの人たちは、最終的にこのナレーションを楽しむようになるようだ。
しかしながら、もしあなたがこのナレーションが好きになれないというのであっても(実際そうした人たちもかなりいる)、心配いらない。このナレーションの占める割合が非常に大きいのはこの「宮殿侵入」の111話から118話まであり、この118話を超えると徐々にナレーションは減っていき、最終的に通常レベルにまで落ち着く。


アクションシーンを求めている人に対して伝えたいこと:
私はハンターハンターの戦闘シーンも大好きであり、またとても素晴らしいものであると考えているが、自身の主観的な考えが入っているためここの部分については言及しないでおきたい。
ハンターハンターは全ての人に受け入れられるものではないと思う。戦闘シーンは実際よく考えられたものであるが、これらの戦闘シーンは大体1分から10分と他のバトルアニメに比べて短い上に、その戦闘は主に戦略的であり、脳筋バトルを好む人たちを当惑させるかもしれない。幽遊白書のような戦闘シーンを期待しているならガッカリするだろう。ハンターハンターにおいて、その成否は(バトルではなく)ストーリーが視聴者を惹きつけることができるかどうかにかかっているのである。
個人的には、このような戦闘が少年漫画の主流であるべきだと思っている。バトルは楽しませると同時に読んでる人に考えさせる内容であるべきであって、ダラダラストーリーを犠牲にするぐらい長々と戦うべきではない。


結論:
ハンターハンター(2011)は素晴らしいストーリーをもつ知的バトルアニメであり、そこには優れたキャラクターと多くの戦略を含んだ戦いがある。それはこのジャンル(バトル物)のアニメとは一線を画している。このアニメはよくある少年漫画のお約束の部分を破壊し、予測不可能かつとてもユニークなストーリー進行を誇っている。


全体としてのスコア:
ストーリー:10/10(極めて優れている)
キャラクター:10/10(極めて優れている)
作画:9/10(素晴らしい)
音楽:8/10(素晴らしいが時折おかしい)
楽しさ:10/10(極めて高い)
最終的な点数:10/10(最高傑作)